アコースティックと電子音2013/04/25 21:39

色々な音楽が溢れるこの頃ですが、私は電子音が好きではありません。
身近なところでは携帯電話の着信音、古くはエレクトリックギター等々、今更電子音無くては生活の中でさえ困るくらいなのですが、音楽を聴く時は極力この手の電子音から離れたいと思っています。
もちろん昔はロックを聴いたこともありましたが、今はあまり聴きません。

クラシックの演奏はほぼ電子音はありませんから落ち着きますし、JAZZは時々エレクトリックベースやエレクトリックギターが入りますが、概ね電子音は少ないため安心して音量を上げて楽しみます。

電子音は正弦波ではなく矩形派で自然界には存在せず、録音される行程でもアコースティックな音とは違いがあります。要は増幅器(アンプ)を介してではないと音として聞くことも、記録することも出来ず、アコースティックな音と比べて歪み成分が格段に多いため、そこそこ質のいいオーディオ機器で聞くとその歪みがどんどん気になってしまいます。
また、短時間であれば音量を上げて聴くことも可能ですが、ピークで100dbを超えるような再生音量では耳が疲れてしまい、音量を下げざるを得なくなることが多いです。

歪みの少ない音、それはクラシックの演奏会場では音量が大きくとも他人の咳払いが聞こえるくらいですが、歪み満載の音の中ではくしゃみをしたって判らないくらいです。
オーディオに接して40年近く経ちますが、この歪みのある音源は段々好きでなくなってきました。ただ、決して全然聴かないと言うことはありません。
松任谷由実は荒井由実のデビュー当時から聴いていますし、竹内まりやも聴くことも多いですが、決してJAZZやクラシックほど音量を上げて聴くことが出来ません。
演奏がうるさく感じて仕方ないのです。

他のJ-POPも外国のポピュラー音楽も同様、音量を下げて聴くことはあっても、音量を上げた途端歪みの嵐の中に放り込まれた感覚で聴くに堪えなくなってしまいます。
もちろん電子音を否定するつもりはありませんし、シンセサイザーの音色も綺麗だと思えますが、やはり体質的に音楽を聴く時くらい電子音から離れたいと思うのは私の本音ですね。

電子音はアコースティックに比べて反射音が殆どありません。二次反射、三次反射が時差となって音の奥行きや広がりを出すのですが、電子音にはそれがないのです。PAの直前にマイクをセッティングしたり、LINEから直接拾ったりと、そこには反射波を拾う余地はなく、それに加えてシンセサイザーなどは矩形派が出力されるので音に角が出てしまいます。

YUMING


松任谷由実のCDで「あの日に帰りたい」という曲を、小野リサのギター伴奏だけで唄っているものがあります。ユーミンの声がオンマイクで拾われエコーもフィルターもエフェクター少なく、ドキッとする息づかいと太い地声、小野リサアコースティックギターが歯切れよく奏でる録音です。
これを聴くと他の曲では味わえない、シンプルな、それで居て生々しい録音が今でも十分出来ると言うことが判ります。
音量も他の曲を聴く倍くらいまで上げても歪みは殆ど感じられず、松任谷由実の録音では希有の録音だと思います。

そんな録音がJAZZ、クラシック、民族音楽、ゴスペル、民謡くらいしか聴けない、言わば生音が少ない現代音楽に溢れているんですね。
DSDだろうが256K/24Bitだろうが、どんなに頑張っても歪み成分満載の音は、私にとっては辛いですね。音量上げて聴けないんです。
生のコンサートであってもPAの歪みは絶大ですし、ギターアンプなんかは歪ませて音色作ってますから、どんなコンサートでも辛いです。
こぢんまりとしたライブハウス等でPAの無いクラシックアンサンブルや、PAの極力少ないJAZZなんかは至極の世界に感じます。

マイクで拾う時にも歪みは発生しますが、歪ませて再生されるPAよりは遙かに歪み成分は少ないですし、マイクの歪みが判るほどよい耳も持っていませんが、歪んだ音やズレには敏感な方です。
ピアノの調律師とまではいきませんが、ピアノの音のズレくらいは大抵判ります。

レコードのスクラッチノイズは我慢できても、意図的に歪ませた音は辛いですね。

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