E46M3 その32013/01/28 21:33


Sタイヤ

先回書いたようにM3は夏場はSタイヤを履いています。
Michelin Pilot Sport cup
サイズは235-35-19と265-30-19、M3 CSLの純正サイズです。

と、書いたところでMichelinのHPを見てみると、カタログからこのサイズが無くなってました。
ポルシェのカップレース用サイズだけしか残っていません。
どうなってしまったんでしょう。

一応素性としてはワンメークスレース用の指定タイヤです。
公道も走れるサーキットタイヤというものですが、雨の日はやはり注意が必要です。
このタイヤを選んだのはグリップ至上ではなく、サイドウォールの変形が少なく、リニアにハンドリングが楽しめる点です。
グリップのみを求めれば国産のSタイヤの方が上でしょう。

バランスという点では好みが分かれるところですが、当時(2005年)タイヤを探していた時点ではこれしかありませんでした。
履いてみたら気に入ったので4セット目の付き合いになりましたね。
冬場も履いたことがありましたが、相当神経質、というか危険な時もあったため1シーズンだけで冬場は諦めました。
冬場のグリップは路面温度で激変します。
路面温度か10度以下だとドライでも夏場の雨天と同じかそれ以下のグリップ、雨天では雪上に近いグリップしか得られません。
空気圧の設定で多少は変わりますが、サーキット以外では多分このタイヤの恩恵を冬場で得るのは無理と思われますし、それにも増して緊急回避能力が低下することの方が多いです。
1速・2速はどこからでもアクセル踏めばホイールスピン、3速でも4000rpm超えてアクセル踏み込むと速度に関係なくホイールスピンしてしまい、公道ではお勧めできない状態となります。
轍が酷いと平気で50センチくらい進路を乱されますし、それを修正するためにアライメント変更するとM3の楽しさは半減してしまいます。

夏場に路面温度が上がれば冬場の神経質さは霧消します。
もちろん空気圧の設定はここでも重要で、グリップを求めるなら低めの空気圧、レスポンスを重視するなら高めの空気圧が求められます。
高めの空気圧でもサーキットを走らなければ十分なグリップは得られますし、何よりもリニアなハンドリングは何処までも走り続けたい誘惑に駆られるものです。

リニアなハンドリングは時として同乗者に不快感を与えます。
ハンドルを切った瞬間横Gが発生しますので、予測できない急ハンドルでの進路変更等でナビゲーターは首を痛めることもありそうでした。
アライメントをニュートラルからリバースになるようセッティングしてあるため無駄な動きは殆ど無く、締め上げたショックアブソーバーは公道上では突き上げも多いですが、何よりもタイヤを路面に押さえつけいい仕事をしてくれます。
一人で乗るには楽しい車でも、隣に安穏を求める人は乗せられないですね。

タイヤハイトは約80ミリ、大きめのキャッツアイでもホイールを痛めるサイズです。
10J-19と9J-19、NEEZの鍛造ホイールは軽量で、純正18インチの総重量とを比較しすると約20Kgの軽量化となっています。
この軽量もレスポンスの良さに繋がっています。
マラソンシューズと鉄下駄の違いと言っても過言ではありません。
ただサーキットを走るならBBSの方が強度があると言われますが、サーキットに行かない私にはNEEZで十分だと思います。

公道だけの走行で粗い走りをしなければタイヤの寿命は約1万キロ程度、攻めて走ればそれなりの寿命と言ったところでしょうか。
車との相性もいいので使い続けたいですが、先にも書いたようにHPではカタログ落ちしました。
20年くらい前に使っていたPIRELLIのカップタイヤは今でも生産され続けていますけど、Michelinのカップタイヤはこの先悩みが増えそうです。