ネットワーク2013/04/23 22:00

さてリッピングをしてPCとかNASへ保存するわけですが、EACは基本的にはWAVファイルとしてリッピングします。ここで保存ファイル形式をWAVのままでも出来ますし、可逆圧縮のFLAC、非可逆圧縮のMP3、またプラグインによっては他の圧縮形式も選べます。
FLACは圧縮率が平均50%で、WAV形式に比べて半分程度のファイルサイズとなります。完全に元へ戻りますので圧縮による音質劣化はありません。もちろんフリーソフト等でWAV形式に完全変換も出来ます。

CDのデータ準備は出来ましたが、これはCDの音質を上回ることができません。
CDのフォーマットは44.1K/16Bitで行われていますが、録音スタジオでは96K/24Bitとか192K/24Bitというフォーマットで行われており、情報量の差はCDの比ではありません。CDはこの音源をダウンリマスターされ44.1K/16Bitで記録されるのです。

いうなればネットワークオーディオの醍醐味は、このHighBitの音源を気軽に楽しめると言うことです。
今のところこの音源はインターネットでダウンロードするくらいしかありません。
私はe-onkyo musicでダウンロードしています。こちらの音源はMP3と違い1曲100円では購入できません。CDと同等の価格が多いでしょうか。
ここで販売されるものは現在のデジタル録音もあれば、過去のマスターテープからデジタルリマスターされた音源で、DSD、WAV、FLAC等で販売されています。

この音源も含めてホームオーディオで再生するためにネットワークオーディオプレーヤーが各社から販売されるようになりました。この機器が無いと基本的にホームオーディオに繋ぐことは出来ません。今後は次第にハイファイ系はネットワークオーディオへシフトするでしょう。その証拠に高級CDプレーヤーがどんどんカタログから消えています。

ただ膨大なCDソースは生き残っていますから、前述したリッピングでデータ化して楽しむことも出来ますね。今後差が出るであろうと思われるのは192K/24Bitを変換できるD/Aコンバーターでしょう。従来もD/Aコンバーターで音は変わりましたが、今後もその傾向は続くと思われます。

さて、話は変わってPCとオーディオ繋ぐ機器ですが、機器を繋ぐとUSB接続かLAN接続をして音楽データをやりとりするのですが、音質的にどちらが優れているのでしょうか。いろいろ調べてみたのですが、私はLAN接続を選びました。USBケーブルには5VDCが給電されており、オーディオ機器にとってノイズの乗るルートになりそうだったからです。

LANケーブルにはデジタルパルスしか流れないため、そのパルスに雑音が乗って浸入することは無いと思われます。データはデジタル化されていますので、データの化けや欠落は基本的にありません。あってもリトライで完全に一致しなければ音楽として再生されません。リトライが不成功になるとエラーで音は出ません。

LANケーブルは安価でも全く問題はなく、CAT5e以上の規格ならば大丈夫です。銀行も保険会社も規格を満たした安いケーブルでデータ転送しています。データに問題が発生するのはケーブルではなく、記憶装置が殆どだからです。ここではケーブル神話は一笑に付されるでしょう。LANケーブルが規格を満たしており、ネットワーク機器が正常ならばデータが変化することは基本的にありません。前述した預金口座の金額が変わるくらいの確率しかないのです。

変わるとすればUSB接続した場合、PC側の動作不良で音が途切れたり、ノイズが5VDCに乗ってオーディオに機器に浸入する恐れはあります。ただ、送信データの誤データはありませんので正常に通信できる限り、デジタルデータに音質変化を及ぼす要因は無いはずです。5VDCがバイアスとなり再生機器の音の変化を嫌うならばLAN接続の方が有利です。

WAVデータでCD1時間分で700MBytes、分当たり11.7MBytes、秒当たり195KBytesの転送速度が確保されれば、1Bitの狂いも無くデータは転送されます。
LANの規格で現在主流の100MBitは1秒当たり理論値で12.5MBytes転送します。
実測値80%ととしても1秒当たり10MBytes、CD1枚分は1分程度で転送します。
ネットワークプレーヤー側は余裕を持ってデータを受け取れる規格なのです。

FLACであればWAVの約半分のデータ量ですから、更にネットワーク負荷は軽くなります。正常なネットワークなら、同じLANケーブルでネットワークゲームを同時に行っても、FLACやWAV等の音楽データは殆ど支障なく転送されるでしょう。
LANのパケット転送は多数が同時に異なるデータの転送しても、問題なく、そして正確に転送されるものですから、USB接続よりも安定して転送されるメリットは高いでしょう。

データはストリーミングで送られますが、バッファに溜められ再生する分正しく受け取ってから再生します。基本的にデータが欠落したりすることはありません。もしデータが壊れていれば音が途切れるか、再生が停止します。
送り出しのPC側やNAS側、またネットワークで使用するHUBやLANケーブルに問題があれば、データの転送が遅れたりする可能性はあります。ただ、それはオーディオ側の問題ではなく、送り出し側が伝送系統の問題なので基本的に調整、交換等で解決できるはずです。

従ってLAN接続はコンピューターネットワークの知識が皆無ではやや厳しいですね。問題が起こったときの原因究明で、ネットワークの知識がないと迷宮に陥る可能性があるからです。その辺りの解説がオーディオの面からだけでは説明できず、また、ネットワークの問題がユーザーのスキルによっては1分で解決できるものが、いつまで経っても解決できないようなことに陥る、そんな側面も持ち合わせています。

ルーター等でDHCPが動いていれば十中八九接続はワンタッチです。
もちろん固定アドレスでDNS Serverを使用しても接続できます。
私は固定アドレスで使用しています。

ネットワークは・・・・、まぁ何とかなるでしょう

あ、上の写真は会社のHUBで、ここをネットワークオーディオも通過してます。
一般の方には縁のないものですが、パソコンやネットワーク周辺機器が増えてくると、このようになる諸兄も居るはずです。