E60M5 その62013/05/12 14:50


E60 M5 V10

E60M5の特徴はなんと言ってもV10、5000ccのエンジンでしょうか。
同じエンジンはE63M6にも搭載されていますが、それ以外には搭載されていません。E63M6とは排気系の取り回しが違い、排気音もE63M6の方がスリリングな音です。

500ccのピストンが10個、40個のバルブが生み出すパワーは507PS。
以前書いたように常時S-6モードで使用しています。
冷間時始動するとタイミングチェーン等のメカニカルノイズが排気音を大きく上回り、M3の時も同じなのですがこの乾いたノイズに惚れ込みました。
ものの数十秒で大きなメカニカルノイズはオイルの循環で静かになりますが、この始動時のメカニカルノイズはエンジンが只者でないことを知らしめます。
排気管チューンではなくメカニカルチューンされてるよ、ていうオーラでしょうか。

S-6モードでも別段レスポンスが本来設計されたレスポンスになるだけで、慣れてしまえば日常の足としても全く問題ありません。
S-6モードはエンジンレスポンスだけではなく、SMGのシフトタイミングも速度が上がります。アクセルの開度によりシフトされる速度も変わるため、アクセルをバタバタ踏まなければ普通にシフトアップしていきますし、私の感覚ではそのシフト速度のタイミングが一番いいのはS-6なんですね。S-6以下はどうしてもシフトタイミングか遅く、馴染めませんでした。

パートスロットルでのエンジンの反応もやはりS-6が一番です。
これも以前に書きましたが、ATの様に動力伝達時にショックを吸収する媒体(トルクコンバーター)が無いため、アクセルコントロールの荒さが直接エンジンに伝わります。
ですからスタート時にアクセルをじわりと踏むMTの感覚で操作しなければ、当然のことながらエンジンは敏感に且つ素直に反応します。そういうレベルではソリッドなスーパースポーツカーと同様ですね。レスポンスを鈍くしたモードでもエンジンの本質は鋭い反応をいつでも準備しているため、アクセルコントロールの粗い人には乗りにくくて仕方がないエンジンでしょう。

色々なインターネットの情報ではクラッチの耐久力が悪い云々言われています。
S-1モードと呼ばれる一番反応を鈍くしたモードでは2速発進が常用され、且つクラッチを滑らしてアクセルコントロールの荒さを吸収しているみたいで、そのモードではクラッチは30000Km程度しか持たないのも頷けます。
ATと違いシフトショックを和らげるのはエンジン回転の制御と共に、クラッチコントロールしかないため負担はクラッチの摩耗を累進するでしょうね。
2速発進なら尚更のことです。

一応そういう観点でこのE60M5と長く付き合おうとすれば、1速発進は当然のこと、微速で2速まで落ちたとしても、10Km/h以下から加速する場合は必ず1速に入れ直す、そうすればクラッチの摩耗や負担を抑えられるのではと思い実行しています。
そんなことが面倒だ、という気持ちになった時はあっさりこの車から降ります。



1500rpmくらいまでは普通の乗用車です。5000ccのトルクはあまり感じられませんが、2tの重量を考えればそれなりなんでしょう。
1500rpmから上はアクセルに敏感に反応しますが決して神経質でなく、トルクに乗せてスムーズに力が出る感じです。
5000rpmを超えると「もっと回せ」のオーラを強烈に出し始めます。
排気音もそれなりに大きくなってきますが、その音質に下品さはありません。
V10独特の快音となり8000rpm以上まで簡単に吹き上がるのは快感なのですが、1速でも一般道路の法定速度を上回ってしまいますから、いつでもどこでもその快感を味わうわけにはいきません。

DSCオフでフル加速すると1速ではいとも簡単にホイールスピンが始まり、50キロを超えるトルクの本性が現れ、アクセルを深く踏み込むほどシフトアップの時間は短くなります。床まで踏み込んでレッドゾーン直前でシフトアップすると、激しい衝撃と共にタイヤが悲鳴を上げ、蹴飛ばされるように加速は続きます。

何キロまで出るかは別問題として、速度の上がっていく様子は通常あまり味わえる世界ではありません。まさしく非日常の世界です。免許証は大事にしたいです。