PHOTOSHOPで加工2013/02/12 22:47


25年前の北海道旅行の際の画像です。
知床への道路でキタキツネを見かけました。
観光客が餌をやるらしく、車を止めるとすぐ近くまで寄ってきました。


劣化したネガフィルムをスキャンしたあとは画像加工をします。
使用ソフトはPHOTOSHOP CS5です。

まずはスキャンしたデータ。
加工前

この時点でスキャナーのソフトで黄色成分を落としてスキャンしています。
それでも全体に黄色かかり、緑も黄色っぽく、アスファルトも黄色いです。
取り込み画像サイズは4980*3360、TIFFで54MBytesあります。


たいていの場合画像の傾き補正とトリミングから始まります。
今回は傾き補正はせず、トリミングだけで行うことにします。

加工中

拡大するとこのようにネガフィルムに発生した斑点が散在しています。
まずはこの補正から。

加工中

スタンプツールを使い、周囲の同系色で模様の同じ所をコピー元として補正していきます。

加工中


このとき急いでいい加減にツールを使うとスタンプしたところがリピート状になり不自然な補正になりますので、スタンプサイズを小さめにしてコピー元をこまめに変え、丁寧に補正するのがコツです。

加工中

画面の大きな補正を終わらせます。
次にネガに付いたごみ、傷跡の消去です。
拡大すると小さな白い点が方々に見つかります。

加工中

この白い点もスタンプツールで消していきます。
全部消すのも一仕事ですが、あとで印刷を前提とするならばこの作業が印刷の質を上げるコツとなります。
白い点は補正で消されることは少なく、逆に目立ったりします。
写真をノイズっぽくするのはこの白い点のことが多いです。


取り敢えず傷の修復は完了です。

加工中


次に色の補正に入ります。
元々使用しているディスプレイに大きく依存するところです。
基本的にディスプレイの色温度を5000K~5500Kに合わせます。
大抵デフォルトでは7500K~9000Kの青白い画面が多いですね。
綺麗に見えますが青みを帯びており、加工するには不向きです。
5000Kだと慣れないと赤みを帯びて感じますが、未使用の白い紙をディスプレイの横に並べ、ディスプレイに白色を表示して色差の少ないのが簡易な色温度の設定方法です。
いかに7500K以上が青い色だと感じるはずです。
青みが強いと綺麗には見えますが、本来の色とは程遠い状態です。
印刷所のディスプレイは大抵6000K以下です。

さて、色調補正で自動を選択。
全体の色合いのバランスを取ります。

加工中

若干コントラストが強くなりました。
気に入らなければ自分で補正を掛けます。
明るくしたり、暗くしたりはここで大体決定します。

次にカラーバランスの調整です。

加工中

黄色成分が強いので黄色を落としますが、シアンを少しずつ強めながら黄色を落とします。
バランスを欠くとおかしくなるのがこの調整です。
中間色、ハイライト、シャドーとポイントを変えながら調整しますが、一発で決まれば一番いいのですが、簡単に合わないのがこの調整です。
少しの変化で大きく変わることも多く、経験がものを言う作業です。

次にコントラストの調整。

加工中

意図したハレーションを求めない限り、強すぎない程度でコントラストを付けます。
不必要なことも多いですから好みの調整となます。

次は最終保存するサイズへのリサイズです。
今回はディスプレイ用として1600*1200サイズへリサイズします。
このリサイズ前にほぼ全ての補正を終わらせます。
リサイズ後の調整はアンシャープマスクを除いて画像の質を下げることにしかなりません。

加工中

最後にアンシャープマスクを掛けます。
これは写真の印画紙だと色際のエッジが立って色境が引き締まるのですが、ティスプレイでは印画紙のようなエッジの引き立てがありません。
アンシャープマスクを施すことによって印画紙と同様の引き締まった画像になります。
印刷する際にはアンシャープマスクしない方がいい場合と、した方がいい場合とありますので、印刷して比較するしかありません。
大抵は見る場合と同様か弱めのアンシャープマスクがいいようです。

加工中

作業完了。
原稿とは別の名前で保存します。
ファイル種類、圧縮率は随意に。
私はディスプレイ用としてはJPGで圧縮率を5~6程度で保存します。
今回の場合1600*1200サイズで260KBytesです。

加工完了

注意としてはトリミングする際に保存するサイズ、今回なら1600*1200以下でトリミングしないこと。
画像縮小での画質劣化デメリットはとても小さいですが、画像拡大すると画質劣化デメリットは非常に大きいです。

しかし、見る人か見ると加工跡判りますね。
はしょったら駄目という見本でしたorz